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日本語の連濁は、長い間国語学界の謎とされてきた
by iwaoka3
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連濁と日本語

 従来、連濁がおこるのは発音上の問題と考えられてきた。

しかし、連濁は言葉の「意味のきまり」であることが、この研究で明らかになった。日本語の文法は、言葉の並び方と変化(文章の構成)のきまりである。それに対して、連濁は日本語の意味の領域を規定している。連濁によって、同音異義語の多い日本語の意味を区別する働きもしている。

我々が日常、日本語を話したり・書いたりする時、その言葉が名詞か動詞かは、気にしたこともない。特に、動詞の連用形が名詞でもあるということは、大切なことである。我々は、それをきちんと区別して、日本語を話しているのである。

奈良時代に、突然多くの漢語(外来語)が日本語に取り入れられた。千数百年の間に、かなり日本語に浸透して、その区別も気にならなくなった。しかし、和語か漢語かの区別も、きちんと連濁に表れている。 

これまでに述べてきたことは、連濁を通して新たな日本語の特徴と歴史的な背景と日本人の物の考え方が分かった。  

多くの外来語が入ってきても日本語は日本文化と共に生き続けていく。日本語を大切に生かしてゆきたいと思う。



# by iwaoka3 | 2019-09-01 08:13 | 日本語
連濁から見た日本語・日本人

日常使われる言葉はいろいろな集団の中で、その必要に応じて連濁をおこすものとおこさないものに分かれている。話し言葉の中で混乱を起こさないためである。この意味の違いにより、古文の読み方や意味を新たに解明することも可能と考える。

例 やり‐て【槍手】槍で突かれたきず。やりきず。と辞書にある。

連濁からみると病気や傷に関する言葉は連濁をおこす。「槍手」はヤリデと読めば槍傷のことである。ヤリテと読めば「攻め手セメテ 防ぎ手フセギテ」のように槍で戦う人という意味になる。

「出家侍サムライ」は、出家と侍という意味である。つまり、僧侶と武士は、農・工・商の庶民とは異なる身分の人という意味である。「出家ザムライ」なら出家した武士という意味で、「出家サムライ」と連濁をおこさないことに意味がある。

この様に、もう一度日本語のもつ意味を考えなおしてみたいと私は考える。 


# by iwaoka3 | 2019-07-16 10:10
連濁から見た日本語・日本人

連濁を調べてゆくと、日本人にとって大切な事が何であったかが分かる。

広辞苑の中で、複合語の後項にくる言葉の中で非常に用例が多い和語 

神カミ 約220例(神ジン90例)  仏ホトケ 約40例(ブツ約160例)  

紙 約215例  本 約265例  

人 約470例  腹 約120例  顔 約190例  目 約345例  手 約420例  口 約325例  

木 約280例  葉 約200例   花 約190例  鳥 約250例  

雲 約70例   月 約200例   日 約175例  

カネ 145   時 80例      火 約120例  

これを見ると、日本人が自然と共に生活をしてきたことがよく分かる。

花鳥風月を愛し、自然に対していつも目を向けていた。

宗教は大和民族古来の宗教である神の用語が多い。外来の宗教である仏も和語と漢語を合わせると200例となり、仏教が如何に日本人の間に浸透したかが分かる。

言葉と連濁を通して分かる日本人の大切な事は、家・仕事・人間関係である。日本人にとって一番大切な「家」とその「家」が属している集団とそこでの人間関係が言葉を規制している。人の上下関係や内と外をはっきり区別する為に、複雑な敬語の用法がある。人間関係を大切にするため、明言を避け、遠慮をしたり細やかだが曖昧な表現を好んで用いる。

世襲制の時代には「家」の存続が大切な事であり、結婚は「家」と「家」との結びつきであった。特定の社会の中で、儀式によって全てが取り仕切られてきた。「家」の象徴である「家紋」には、特別の用語が多くみられる。結婚は嫡系の子孫をもうける為であり、女性はその道具でしかなかった。「~腹」という言葉(160例)の多いことからも連濁による意味の違いからも理解できる。

政治や官位の用語は漢語が多いので、連濁をおこさない。

武士にとっては剣道・弓道或いは鷹狩りは大切なものであった。特殊な用語も多く連濁をおこす。従って、鷹狩り用の鷹は「竿鷹サオダカ 巣鷹スダカ 逸れ鷹ソレダカ 手鷹テダカ」と連濁をおこす。鷹の種類は「大鷹 熊鷹 禿鷹ハゲタカ」で、連濁をおこさない特殊な例である。


# by iwaoka3 | 2019-03-12 11:04 | 日本語の連濁
最後に 1

 

これまで連濁について述べてきた。

我々日本人は言葉の規則に従って日本語を話し、間違えることはない。この言葉の規則が文法である。しかし、我々はそれを意識したことはない。

多くの日本人は「です」と「ます」の違いを説明できないかもしれない。

我が家にホームステイをしていたイギリス人の学生がいる。

どの学生にも朝晩出掛ける時や帰った時の挨拶を、大きな声でするようにしている。出掛ける時は「行ってきます」と元気よく出掛けた。

帰ってきた時「ただいます」と言った。彼は「ます」は丁寧な言い方だから、「ただいま」よりは「ただいます」の方がよいと考えた。

漫画にでてくる子供の言葉には「ただいまでちゅ(です)」と言っているのがある。

日本人なら子供でも、文法的には正しい言葉を使っている。「ます」は動詞につき、「です」は名詞につくからである。

このように、我々は意識してはいないが、文法に合った言葉を選んでいる。

このまだ意識していなかった規則が、「連濁」という現象の中に多く隠れていた。

これまではっきりしていなかった日本語の特徴が、連濁の解明とともに明らかになってきた。

我々があまり関心をもっていない数字(一 二 三)や助数詞(一 二 三)に関しても、曖昧な点とはっきりと使い分けている事柄があった。それは、日本人が数字に関して、厳密ではなかったこと。和語にはゼロの観念がなかったことやあまり大きな数字がなかった。そこで、全面的に漢数字を取り入れた。数字に於いては、和語と漢語の区別は、はっきりしない。

ひと皿 ふた皿 み皿 よ皿 ゴ皿 ロク皿・・・となっても、違和感はない。

イッ升 ニ升 サン升 よん升 ゴ升 のように、和数字と漢数字が入り混じって使われている。外国語である漢数字が、日本語となったのである。

そして、「三階・一万石・千羽」のように連濁をおこす。 


# by iwaoka3 | 2018-11-26 11:18 | 日本語の連濁
連濁を起こす言葉と起こさない言葉

 濁を起こす言葉と起こさない言葉言葉について見てきた。連濁を起こす言葉には色々な条件があった。連濁を起こす言葉の内、その種類を表す言葉は連濁をおこした。種類とは言えない曖昧さのある言葉やおおまかな一般的な名前の場合も連濁をおこさない。そのような例を見てみよう。

具体的な意味(連濁をおこす)      曖昧な意味 一般的(連濁をおこさない) 
  
茜雲 雨雲 鰯雲 鱗雲 雪雲      青雲 黒雲 白雲 叢雲 八雲 闇雲
  
小豆粥 芋粥 茶粥 七種ナナクサ粥     白粥 汁粥
 
穴熊 洗い熊 月の輪熊 北極熊     大熊 白熊 黒熊
 
死に神 女神 氏神 鬼神 貧乏神    大神 川神 諸神 鳴る神(連体接続)
 
糟汁 三平汁 鱈汁 豚汁 若竹汁    味噌汁
 
矩差カネザシ 鯨差 呉服差 雛形尺     物差し
 
梅干し 陰干し 煮干し 虫干し     物干し 
# by iwaoka3 | 2018-07-21 22:06 | 日本語の連濁