日本語の連濁は、長い間国語学界の謎とされてきた
by iwaoka3
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前項が動詞の言葉
 「動詞と動詞」や「動詞と名詞」を結び合わせて一語となった言葉は連濁をおこさない。
連濁をおこさない言葉は、前項と後項の独立性が強い。
後項の動詞は①連濁をおこさない場合(前項が動詞)と②連濁をおこす場合(前項が名詞)とがある。
①はその動詞が動作や作用を表すとき(表7~9)
②はその動詞が振舞や状態を表すとき(表5・6)ー二月の投稿参照

1.動作・動きや変化・作用を表す動詞  連濁をおこさない動詞

イ、動詞+動詞は全て連濁をおこさない。 
前にも述べたように、動詞の複合語は動作や作用をより詳しく表すためにできた。
「振り払う 説き伏せる 吹き散らす」等はより詳しく動きや作用を表している。  

表7.前項と後項が同等(~て~する  ~で~する)  
悄気返る 逃げ帰る 包み隠す 生れ変る 取り組む 借り換える 荒れ狂う 勝ち越す 立て籠る 突き刺す燃え盛る 指し示す 買い占める 言い損う 折り畳む 切り立つ 飛び散る 焼き付く 落ち着く 脱ぎ捨てる 射止める 読み取る 立ち働く 振り払う 切り開く 泣き伏す 死に絶える 割り振る 痩せ細る 焼き払う 行き着く 見交す 満ち足りる  
「悄気ショゲる」は「洒落シャレる」と同じ下一段活用動詞で悄気・洒落は連用形である。
日常よく使われる動詞「掛ける 切る 立つ 付く 付ける 取る」等は他の動詞と結び合わせて使われることも多い。

表8.単独ではほとんど使われない「込む」の複合語
勢い込む 抱き込む 入れ込む 植え込む 打ち込む 売り込む 老い込む  追い込む 
送り込む 押え込む 教え込む 押し込む 落ち込む 思い込む  折り込む 買い込む 
抱え込む 書き込む 駆け込む 囲い込む 刈り込む  聞き込む 着込む 決め込む 
踏み込む 等「~込コむ」は190例
ゴム 意気込む 後シリ込む 手込む 3例
この場合は連濁をおこしている。それは前項が名詞だからである。

表9.「返る」
呆れ返る 生き返る 消え返る 冴え返る 反り返る 立ち返る 煮え返る 
(ガエル 裏返る 手返る 若返る等は前項が名詞だからである) 

「着替ガえ 着替カえる」にはキガエルという言い方もある。これは、「着替ガえ」にそのまま「る」を加えて動詞にしたものと考えられる。
このような例外が他にもある。
「生け捕ドる 揺さぶる 寝返ガエる」等は「生け捕り」「揺さ振り」「寝返り」がそのまま動詞となったと考えられる。動詞の形は「生け捕りにする」「揺さ振りをかける」「寝返りを打つ」等の表現がある。
返り咲く(返り咲きをする) 立ち枯れる(立ち枯れをする)等も同様である。
「着脹ブクれ 着脹ブクれる」は文語では「きふく・る(下二)」であった。  
「引摺ズり」の動詞形は「引き摺ズる」のみで、「する」や他の動詞を使う用例がない。その代わり「引摺り込む」「引摺り出す」「引摺り廻す」のような三連語がある。  

たち‐ぎき【立聞き】    たち‐き・く【立ち聞く】
ゆき‐がかり【行き掛り】  ゆき‐かか・る【行き掛る】
ゆき‐ぐれ【行き暮れ】   ゆき‐く・れる【行き暮れる】
ゆき‐ぶり【行き触り】=ゆき‐ぶれ【行き触れ】  ゆき‐ふ・る【行き触る】
言掛り 言い掛かる    通り掛り 通り掛かる  
(仕掛り 仕掛る  取掛り 取り掛かる  倚り懸り 倚り懸る)
置き去り 置き去る 
立て籠コモる 古くは亜ッダアンンvhhhhhhvvvvんhhhhbタテゴモル   
 
ロ、動詞(連体形)+名詞 は全て連濁をおこさない。 
この動詞は、従来の文法では連体形といわれた場合である。古典語では終止形と連体形に区別があったが、現代語ではその区別は失われた。だから、連体形の項目が必要かどうか問題であろう。また、連用形は用言に連なると言われてきたが、「乱れ髪 遊び心」でも分かるように名詞(体言)にも連なる。多くの動詞は連用形で名詞に連なり、連体形で名詞に連なる言葉は限られている。
名詞+動詞 は全て連濁をおこす。 
動詞+名詞 は全て連濁をおこさない。 
この場合の動詞は両者とも終止形の形であり、名詞はいわゆる名詞と形容詞の語幹に限る。動詞+連用形名詞の形は用例がほとんどない。
「知る便り」の「便り」は「頼り」と区別があり、「親に頼ります」とはいえるが、「親に便ります」とはいえない。「便り」は「盛り」と同じく本来は名詞である。

表10.
来る日 来る年 返る年 飛ぶ鳥 立つ瀬 やる気 至る所 帰る空 帰する所 詰る所 知る便り 打つ手 引く手 ある事 立つ瀬 行く先 行く末 行く手 行く年 行く春 行く人 荒ぶる神 光る神 至る所 詰る所 
行く所トコロ 行きどころ 知る人ヒト 知りびと 返す刀カタナ 返しがたな
これらの例の「行く」「知る」「返す」は動詞終止形の形であり、「行き」「知り」「返し」は連用形名詞である。
これをみると、連濁をおこすことによって二つの言葉の結びつきが緊密になることがわかる。
連濁をおこさない言葉は、容易に二つの言葉に分けられる。
「便り」の例でも分かるように、他の言葉が全て連濁をおこしても、前項が動詞の言葉は連濁をおこさない。
ダヨリ 片便り 初便り 花便り 早便り 船便り    
タヨリ 知る便り 

形容詞も動詞と同じように終止形の形で名詞と結びついた時は連濁をおこさない。
黒い霧 好い鴨 いい人 ない事 青い鳥   

日本語には英語のような時制がないと言われている。未来形がない。過去形と完了形が同じである。
昼間会社から電話をして「夜、家に帰った時に話すよ」といった場合、まだ家に帰っていない。これは過去のことではなく完了形を表す。家に帰るという動作が完了した時という意味である。
「癌で死ぬ人は増える」「次に話す人は前に来てください」等もまだ完了していない。「死ぬ時」と「死に時ドキ」では、「死ぬ時」は未完了の未来や未確認の事実を表している。
「死に時」「食べ頃」は「時」や「頃」の説明である。 

連用形接続と連体形接続といわれた複合語では意味の違いがある。
「飛ぶ鳥」が仮に連用形「飛び鳥」となれば、他の例と同じように連濁をおこして「トビドリ」となる。「歌い鳥 浮かれ鳥 長鳴き鳥 渡り鳥」等がその例で、鳥の種類やそれに類する鳥を表す。「飛ぶ鳥」は一般的な空を飛ぶ鳥のことであり、目の前の事実ではない。前項が動詞の連用形の場合、後ろに名詞がきた時は連用形名詞である。
連体形接続は一般的な対象を表し、連用形接続は対象の範囲が狭い。
このように、連体形接続は連用形接続と意味の違いを表すためにある。 
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by iwaoka3 | 2010-03-15 23:08