日本語の連濁は、長い間国語学界の謎とされてきた
by iwaoka3
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名詞と連濁
 「文法と連濁」の項でも述べたように、前項が名詞の時に後項の言葉が連濁をおこす。
前項が名詞で後項が動作動詞の場合は全て連濁をおこし、様子や状態を表した。

前項が名詞で後項も名詞の時は、連濁をおこす言葉とおこさない言葉がある。
後項の名詞の多くが連濁をおこす。
連濁をおこす理由はどこにあるのか。
どんな必要があったのか。

【源氏物語で「もののあはれを知らぬ人にもあらず」といえば、男女の仲の気持のやりとりを知らない人でもないという意味だった。本居宣長が源氏物語を「もののあはれ」を書いた作品だと言ったとき、その「もののあはれ」とは、四季の移りゆきを眺めて感じる情趣であり、また、男女の恋の様相という意味であった。しかし、この頃……】(大野晋著「日本語の世界」)
「この頃」を「コノコロ」と読むか「コノゴロ」と読むかによって、意味が違ってしまう。「コノコロ」と読めば本居宣長の頃であり、「コノゴロ」と読めば最近のことである。
文章の場合はその続きを読めば理解できるが、話し言葉では直ちにその区別が必要となる。
一つの言葉が連濁をおこす場合とおこさない場合の目的は、意味の区別にある。

動詞と動詞の複合語は「遣り返す」「取り消す」のように、単独では広汎な意味しか表せない言葉をより細かく意味を限定するためにある。これは連濁をおこさない。

名詞の複合語が出来る時、「星の空」→「星空ゾラ」「竹の箒」→「竹箒ボウキ」のように助詞の脱落によって一語となった言葉も多い。
形容詞と名詞を結び合わせる時は、「厚い化粧」→「厚化粧アツゲショウ」 
「若い鶏」→「若鶏ワカドリ」のように、形容詞の語幹と名詞を結び合わせる。
ここでは連濁における意味の違いについて、みてゆきたい。

例えば、「菓子カシ」「曇りクモリ」「惚ホれ」を例にとると 
ガシ  駄菓子 茶菓子 生菓子 干菓子 洋菓子 和菓子 綿菓子 
グモリ 朝曇り 棚曇り 花曇り 本曇り 夕曇り 雪曇り 
ボレ  自惚れウヌボレ 岡惚れ 一目惚れ べた惚れ 惚れ惚れ(畳語) 
等は「ガシ」「グモリ」「ボレ」と全て連濁をおこす。これは物の種類やそれに類するものや事柄を表す言葉である。
これらは連濁をおこして、二つの言葉の結びつきを強める。

桜の種類を表す言葉は「姥ウバ桜 寒桜 黄桜 垂れ桜 彼岸桜 牡丹桜 八重桜 山桜 葉桜 夜桜」等と連濁をおこす。
「薄花桜ウス ハナザクラ 緋寒桜ヒ カンザクラ 彼岸桜ヒガン ザクラ」をみると、連濁によって微妙に言葉の区切りが分かる。 
「薄花 桜」があるとしたら、ウスバナザクラとなる。
このように、連濁は言葉の結びつきを強めるとともに、意味の違いをあらわす。

和語の名詞には、連濁をおこす言葉と連濁をおこさない言葉がある。
「飼い」「語り」を例にとると。
ガイ 餌エ飼い 子飼い 野飼い 放し飼い 平飼い 
カイ 犬飼 鵜飼 牛飼 馬飼 鳥飼 物飼 
「ガイ」と連濁をおこす言葉は、動物の飼い方(方法)を意味する。
「カイ」と連濁をおこさない言葉は、動物を飼う人を意味する。 
これは仕事として動物を飼ったり、利用している職業の人を意味する。
「絵描き 物書き 御用聞き 召使い 稼ぎ手 裏方 月給取り 笛吹き」等もそのような「仕事をする人」を意味する言葉で、連濁をおこさない。
「鵜飼」はウガイともいう。これは本来、鵜を飼う人はウカイであり、鵜を使ってとる漁はウガイであろう。 

「語り」
ガタリ 神語り 強い語り 説教語り 問わず語り 弾き語り 昔語り 
カタリ 義太夫語り 祭文語り 浄瑠璃語り 
「ガタリ」は話の仕方・種類をいう。  
「カタリ」は語りを職業とする人をいう。 

このように連濁をおこす言葉は種類や方法を表し、連濁をおこさない言葉はそのような職業の人を表す。「羊飼 絵描き 金貸し」といえばその仕事をしている人を表しているのである。
連濁をおこす言葉とおこさない言葉にはどのような意味があるか、個々の例でみてゆきたい。
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by iwaoka3 | 2010-08-15 23:08